兵庫県議会に設置された百条委員会の委員長には自民の奥谷謙一議員(右)、副委員長には維新の岸口実県議(左)が選任された

 実は、6月14日の百条委員会の初会合で、維新の県議から、
「人事課による調査に対していろいろな疑念の意見が寄せられている。この審議過程を明らかにすることが必要だと思うので、人事課の調査、そこから得られた資料は全て開示をしていただきたい」
 として、元局長の公用パソコンのデータすべての開示を要求する発言があった。

 議会関係者がこう話す。

「元局長の懲戒処分を決めるとき、公用パソコンの中身を人事課が調査しましたが、私的なものも含まれていたようです。私的なことに公用パソコンを使用することはよくないですが、そこには内部告発とはまったく関係ないことも含まれる。それについては百条委員会で公開しないでほしいという申し入れでした。元局長の耳には、維新がすべての開示を求めているという情報も入っていたと思います」

 また、複数の県議や県職員によれば、同じころ、維新の県議から、
「元局長をつるし上げてやる」
 といった発言を聞いたという証言もあった。

 斎藤知事は2021年の知事選で維新の推薦を受けた。大阪府の吉村洋文知事が何度も応援に入ったことも功を奏して当選。維新は県政与党として斎藤知事を支え、知事の疑惑を調べることになる百条委員会の設置については、自民の大半の県議が賛成にまわった一方、維新は反対した。

告発した元局長に「身勝手な論理だ」

 7月8日午前、百条委員会は臨時で理事会を開催し、元局長の申し入れについて検討をした。この時点では、まだ元局長が亡くなったことは知らされていなかった。

 その席上、理事を務める維新の県議から、次のような発言があったという。

「告発文書には、斎藤知事の自宅や好き嫌いなどの記述がある。プライベートなことを取り上げているのだから、(元局長が)自らの調査結果はプライベートな問題だから公開しないでとは、あまりに都合のいい身勝手な論理ではないか」
「パソコンの所有者は兵庫県、データも兵庫県のものだ」

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