TOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが音楽や映画、演劇とともに社会を語る連載「RADIO PAPA」。今回は演劇「七人の墓友」について。
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来月はお盆。帰省して実家に帰って、親と食事して、地元に残る友達に会って、お墓まいり、ということなのだろうが、先祖の墓がなくなったとしたら……。
墓じまいという話もちらほら聞くし、樹木葬ならそもそも墓石はなく、果たしてどうすればいいのだろう。
花を手向けて線香をあげ、墓石に水をかけ、住職に挨拶し……。それを半ば無意識にやってきたけれど。
そんな中、鈴木聡脚本・演出の「七人の墓友」を観た(ラッパ屋第49回公演 紀伊國屋ホール)。
10年前に脚本を書き下ろしたという鈴木はこう言う。
「『お墓』のことは『家』と密接な関係があります。僕ら一人一人の人生は個人のものである、家に所属しているわけではない、という意識が『〇〇家』と刻まれた墓石より、大きな自然を象徴する『樹木』の下に眠る(あるいは眠っていただく)選択を促しているように思うのです」(「七人の墓友」パンフレットより)
「それは『家族の在り方の変化』にも関係してきます。同じ時代の同じ家に暮らしていても、今や家族の価値観はバラバラです」(同)
うーむ。