国賓としての英国訪問を終えた天皇、皇后両陛下が7月5日、上皇ご夫妻へのあいさつのため、赤坂御用地にある仙洞御所を訪れた。このような「慣例」の訪問はこれまで続いてきたが、最近は訪問の回数を減らしたり、帽子のお召しを簡略したりと、皇室をめぐる状況に合わせた「変化」が起きているようだ。
【写真】花やリボンの「お帽子」姿でごあいさつに向かう愛子さま、雅子さまはこちら!
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7日5日の夕方、天皇陛下と皇后雅子さまを乗せた車が、赤坂御用地の門から出てきた。
沿道に待つ人の姿を目にとめたように車のルームライトが灯り、車内のおふたりの様子が見えやすくなった。門のそばにいた女性は、雅子さまの様子に驚いたという。
「明るい車内から、陛下も雅子さまがリラックスした、楽しげな表情で手を振ってくださいました。精神科の主治医を同行してのご訪問と報道されていましたから、お疲れがたまらないかと心配していましたが、この日は普段よりも鮮やかなリップメイク(口紅)もお似合いで、生き生きとなさっていた」
歓迎式典や馬車でのパレード、バッキンガム宮殿での晩餐会と重要な日程が続いた英国訪問。雅子さまの主治医である精神科医の大野裕医師も随行し、現地での体調の判断もふまえて予定が調整された。
即位後初めての国際親善訪問となった2023年のインドネシア訪問では、大野医師が随行しなかっただけに、万全の体制を敷いた英国訪問への意気込みがうかがえた。
これまでの「慣例」とは違って
重要な日程を終え、晴れやかな表情で仙洞御所を訪れた天皇陛下と雅子さま。
普段と違ったのは、雅子さまがお帽子をつけず、ややリラックスした服装だったことだ。
皇室の慣習に詳しい人物によると、「お相手を訪問する際には、帽子を着用なさるのが皇室の慣例」なのだという。そして雅子さまは、ご体調の波が続いていた皇太子妃時代の2013年のオランダ、15年のトンガ訪問を前にした当時の両陛下(現・上皇ご夫妻)へのあいさつで帽子をはずされたこともあったが、ごあいさつの際には基本的に帽子を着用なさっている。
しかし、この日の雅子さまは帽子をお召しではなく、装いもすこしゆったりしたものだった。