｢ウー！｣｢シャー！｣　南の島で“駆除”された美しい猫エルメスが「空気砲」を卒業するまで

　3カ月が過ぎたころ、人間が振った猫じゃらしに反応してくれるようになりました。

　寒くなってくるとホットカーペットをシェアできるようになりましたが、まだ体に触ることはできませんでした。

　6カ月後、換気扇の上に乗っているエルメスに指を出してみると、鼻でちょんとしてくれました。

　8カ月目、機嫌のいいときは喉をゴロゴロならすようになりました。が、まだどうやって甘えたらいいのか、甘え方がわからないようでした。この頃には、人間のトイレの出待ちをしたり、人の後をついて歩くようになりました。まだほとんど触れず、たまに背中に触れることができる程度でした。

　3月の寒かった日、横にくっついて、膝に顎を乗せてくれました。

　10カ月目、お腹以外は触れるようになりました。ブラッシングが好きで、櫛を持つと駆け寄ってくるようになりました。

　エルメスが預かりさん宅へ行き、1年が過ぎました。

　今、エルメスは、暑い日も預かりさんにベッタリと甘えています。人を怖がり、「シャー！シャー！」「パッ！パッ！」と人間を威嚇していたエルメスはもういません。

　人懐っこく、以前とは別猫のような穏やかな表情のエルメスがいます。

　預かりさんには毎回さみしい思いをさせてしまいますが、そろそろ、エルメスの新しい飼い主さん探しがはじまります。