ようこそ車窓美術館へ(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 先日、和歌山県海南市で行われた男女共同参画講演会で講演をしてきました。

 新幹線で新大阪まで約2時間半。特急くろしおに乗って1時間15分。乗り継ぎの時間も含めると、合計4時間の長旅です。日帰りなのが残念ですが、ここは気合でGOだ。

 講演会で各地へ呼ばれるようになり、車窓からの景色を見るのがなによりの楽しみになりました。都内では地下鉄ばかり利用するので、景色を楽しむことはできませんから。

 特急や新幹線に乗ると、すぐさまパソコンを出して仕事をしたり、本を読んだりする人がいます。私はと言えば、イヤフォンをつけて音楽を流しながら、ボーッと外を眺める。席を予約するときは、必ず窓側を選びます。

 東海道新幹線に乗ったら、熱海を過ぎたあたりからソワソワ。富士山が目前に現れるのを、いまかいまかと心待ちにします。天気が良ければ雄大な姿を拝むことができますし、曇りや雨の場合は、いったいどこに隠れたのかと不思議になるほど、富士山はその姿を見せてくれません。私は勝手に「今日の富士山チャレンジ」と称して、その時間を楽しんでいます。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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