重度の脳性まひなど両手足に障害がある人向けに考案されたボッチャ。白い目標球の位置も動くため、戦況が目まぐるしく変わり、一発逆転も。最後の一投まで気が抜けない

 今年1月にはパリパラリンピックの日本代表にも内定。4月には、ヘアケアブランド「TOKIOインカラミ」を展開するイフイングと契約した。これまで通り、地元静岡県伊東市の伊豆介護センターで週2日勤務を続けながら、用具購入や遠征費などでサポートを受ける。TOKIOインカラミには、スノーボードの平野歩夢(22年北京五輪金メダル)、スピードスケートの高木美帆(同金メダル)らが所属するが、パラアスリートの所属は初めて。杉村は言う。

「名だたる有名な金メダリストがいる企業に所属できることを誇りに思いますし、パラ選手としては初めてサポートいただくということで本当にありがたく思います。パリ大会、そしてその先のロス大会など、まだまだ上を目指して戦っていきたい」

 同社の冬廣應尚社長は言う。

「パラスポーツはすごく盛り上がってきている。特に海外で仕事をしていて、パラスポーツとそのほかのスポーツとの境界がなくなってきていると感じていた。ボッチャをサポートさせていただくことで、その境界がますますなくなって、スポーツ界全体が盛り上がっていくといいなと思っています」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2024年7月15日号