次々と明らかになる旧統一教会と付き合いがある政治家。群を抜いていたのが自民党との癒着ぶりだった。
自民党は2022年9月、衆参両院議長をのぞく全379人の自民党国会議員と旧統一教会の関係性を点検したと報告。岸田首相も事あるごとに、被害者救済に関する法整備など厳正な対処が必要だと強調してはいる。だが、依然として教団側と接点のあった党の国会議員を閣僚や党幹部に起用するなど、従来と何ら変わらない動きを見せる。
事件を機に、宗教と政治の関わりはどうあるべきか、という議論が巻き起こったが、宗教社会学者で文教大学国際学部の塚田穂高教授は、事件後一貫して、
「宗教と政治という一般論ではなく、『カルト問題』との関連で考えることが重要」だと指摘している。
「宗教を信仰する人が政治的な主張や活動をすること自体に問題はありません。大切なのは、その組織がどういう団体で、どういう活動をしてきたかということ。政策協定の内容を含め、関係性を明らかにしていることも大前提です」(塚田教授)
教団は会見で開き直り
旧統一教会とその成員には、正体を隠した勧誘や霊感商法、高額献金の強要などを積み重ねてきた歴史がある。09年には、コンプライアンスを強化すると宣言したものの、依然として訴訟や被害の訴えは続いていた。こうした「社会的問題性の高い団体」と政治家が水面下で癒着し、互いに利用し合ってきたことが問題だという。塚田教授は言う。
「旧統一教会に関する一連の問題は、事件が起こる前から存在していました。コンプライアンス宣言が出たあとも、霊感商法対策弁連の先生たちが何度も申し入れをしていましたが、問題は続いていました。もっと早くに今回の解散請求など改善の方向に進んでいれば、事件も起きなかったかもしれません」
事件以降、旧統一教会は度々記者会見を開き、自らの正当性を主張してきた。だが、参加するメディアを制限するなど、偏った対応が続く。