慶應大三田キャンパス東門=東京都港区
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 大学入試では、一般選抜だけではなく、総合型選抜、学校推薦型選抜が増えている。いま大学はどんな学生に来てほしいのか。AO入試を国内で初めて実施した慶應義塾大学の求める学生像を紹介する。AERA 2024年7月8日号より。

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 1858年に創立された「日本で最も長い歴史を持つ総合学塾の一つ」である慶應義塾。AO入試を国内で初めて実施し(総合政策学部、環境情報学部)、近年難関私立大でも盛んに導入されている大学入学共通テスト利用入試を実施しないなど入試でも独自のポリシーをもっており、「独立自尊」「半学半教」「自我作古」「社中協力」といった確固とした教育理念を掲げている。

 各学部のアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)には「慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心」(文学部)、「慶應義塾の建学の精神を理解し、国際的な視野に立ちつつ、新しい社会を創造し先導する気概を持つ学生を求めている」(法学部)、「この使命・建学の精神を理解し、次世代を先導し、豊かな人間性と深い知性を併せ持つ医学生を強く求めます」(医学部)など、「建学の精神への理解」が多くあげられており、各学部のアドミッションポリシーをふまえ、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜など、学部ごとに適した選抜方法を組み合わせて入学者選抜を実施している。

 その狙いについて、慶應義塾は次のような見解を示している。

「慶應義塾大学では、本学の理念および目的を理解し、本学での学修に必要な基礎学力を有し、学問を追究する好奇心に富み、高い目標を掲げ、目標達成のために困難にも挑戦できる意欲ある学生を、国内外から多様な入学者選抜の方法により受け入れています」

三田キャンパスにある慶應義塾の創立者、福澤諭吉の胸像(写真:慶應義塾広報室提供)

 慶應義塾YouTubeで2022年11月に公開された動画「現代を生きる私たちと『学問のすゝめ』〈後編〉」でタレント・キャスターで経済学部の卒業生である櫻井翔さんと対談した伊藤公平慶應義塾長は、Z世代から寄せられた「慶應義塾が輩出したい人材像を教えていただきたいです」という質問にこう答えている。

「やはり慶應義塾に来ることによって、自分が変わって、世界を変えていける人になってもらいたいと思う」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2024年7月8日号より抜粋