新庄監督は2022年から日本ハムの監督に就任。主力選手たちが抜け、土台作りから託された中で、魅力あふれるチームを構築している。万波中正、田宮裕涼、北山亘基、金村尚真ら生え抜きの若手がブレークし、田中正義、郡司裕也、水谷瞬ら他球団で伸び悩んでいた選手が大きな輝きを放っている。チームは22、23年と2年連続最下位だったが、今季は上位争いで奮闘する。
北海道の地元メディア関係者は新庄監督を絶賛する。
「走塁、守備に重点を置き、高度な野球を目指している中、選手たちが着実にレベルアップしている。新庄監督は天真爛漫な性格で奇抜なパフォーマンスが話題になりますが、現役時代は努力の人でした。人前で練習している姿は見せないけど、誰よりも野球にストイックで活躍するための創意工夫を怠らなかった。選手の能力を引き出すことに長けた育成型の監督だと思います。スピード感あふれる野球で『日本ハムの野球は面白い』と新規のファンが増えています。長期政権になる可能性が十分にあり、どのようにチームが進化していくか楽しみです」
人格者だが荷が重かった?
一方、シビアな現実を突きつけられた監督たちがいる。
西武の松井稼頭央監督(48)は最下位に低迷した責任を取る形で、就任2年目の交流戦前に休養を余儀なくされた。森友哉(オリックス)、山川穂高(ソフトバンク)と主力選手がFAで次々と流出し、戦力が整わない中で昨年は5位、今年は最下位に低迷。ただ、選手とコミュニケーションを密に取り、負けが込んでも前を見続けた。「稼頭央さんのためにも勝ちたい」とナインとの絆は固かったが、結果は伴わなかった。なぜだろうか。
西武の球団OBは厳しい見方を示す。
「稼頭央は二軍監督を3年間務めましたが、ベンチワークに長けているわけではなく、育成面でもファームから育って1軍で一本立ちできた選手がいなかった。目指す野球を聞かれた時も抽象的な表現が多く、監督に就任後もどの選手を軸にチームを再建するのかが見えてこなかった。人格者でナインからの人望が厚いですが、それだけでは勝てません。チームが変革期を迎える中、ちょっと荷が重かったかもしれません」