中日・立浪監督(左)と西武・松井監督(ぞれぞれ就任時の会見で)
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 12球団を見渡して、監督としての評価が高いのが広島・新井貴浩監督と日本ハム・新庄剛志監督だ。両指揮官は「育てながら勝つ」を実践している。

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 新井監督は昨年就任すると、4年連続Bクラスだったチームを2位に押し上げ、今季は首位を走っている。小園海斗、矢野雅哉、末包昇大ら成長株が素質を開花させてレギュラーに。新井監督は現役引退後にNPBで指導者の経験がなかったため手腕が未知数だったが、黄金時代再興に向けてチーム作りを順調に進めている。

 広島の民放テレビ関係者は、新井監督についてこう評する。

「新人監督って自分で何でもやりたがるんですよ。選手がコーチに打撃指導を受けている時に、つい口をはさんでしまう。でも新井監督は違う。各コーチに指導を託し、選手が混乱しないように一歩引いて様子を見ている。気になった点があればコーチと意見をすり合わせた上で選手に助言を送ります。接し方がキメ細かいんですよね。新井監督は『おまえたちはカープという家族だ』と公言しているように、起用法にも好き嫌いがない。メディアの前で選手を批判しない一方で、全力プレーを怠ると個別に呼んで厳しく指摘します。言動と行動に筋が通っているので、選手たちは与えられた役割を全うしようと奮闘する。マネジメント能力が高く、名監督に大成する雰囲気があります」

 新井監督は現役時代に通算319本塁打、2203安打をマークした強打者だが、親しみやすいキャラクターで物腰が柔らかい。駒大では無名だったがドラフト6位で広島に入団した自身の野球人生も影響しているのだろう。自身のことを「へたくそ」「不器用」と常々語る。広島伝統の猛練習で素質を開花させる一方、マーティー・ブラウン監督の下ではコンディションを整えるために練習量を減らすように指示されるなど、色々な野球観を学んできたことも指導者としての糧になっている。

 現役時代に新井監督とプレーした広島OBは「明るいキャラクターがフォーカスされますが、悩み事を抱えている選手に気づいて声を掛けるなど、俯瞰して周りを見られる先輩でした。選手たちに慕われるリーダーで我が強いわけではない。強い組織づくりにふさわしいトップだと思います」と称える。

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松井監督はナインとの絆は強かったが…