花のような姿と特有の香りが特徴の舞茸は、松茸、椎茸と並び古くから日本人に愛されてきた食用キノコです。
漢方薬に利用されるなど、健康維持や治療に効果があると伝承的に知られてきました。名の由来は、平安時代の説話集『今昔物語』の中で「このキノコを食べたものが嬉しくなり踊り舞った」と記されていることからだとか・・・
乾燥の進む季節。飲み過ぎ食べ過ぎも気になる季節ですね。
今回は、インフルエンザや風邪予防に、美肌対策やダイエットまで、舞茸の驚くべきパワーと美味しいメニューについてご案内いたします。
風邪予防、インフルエンザ予防に!! 疲れ知らず、免疫力アップの秘密とは!?
舞茸にはキノコと同様、免疫力を高める栄養素が多く含まれています。
β-グルカン(多糖類)をはじめ、ビタミンB1、B2、ビタミンD、ナイアシン、食物繊維、亜鉛、銅などのビタミン・ミネラルが豊富です。
ビタミンB1は、糖質を分解しエネルギーに代え、免疫細胞が弱体化する原因であるストレスや疲労を除去します。
ビタミンB2は、身体の新陳代謝を促進し、老化を予防することで免疫細胞を守ります。
また、ビタミンDは、体の生理機能を調整し、心を安定させるカルシウムの吸収を促進しますので、精神不安定による免疫のダメージを防ぐ効果があります。
特に注目の栄養素がβ-グルカンです。β-グルカンは免疫力を高め、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めます。 β-グルカンは人間の体内で、免疫機能をつかさどるマクロファージやナチュラ ルキラー細胞、白血球のT細胞、B細胞の働きを活性化したり、免疫の関連物質であるインターフェロンの生成を促す作用があります。
免疫にかかわる因子を活性化することで免疫力を総合的に高めます。
他キノコ類にはない!舞茸だけにある『MX-フランクション』『MD-フラクション』とは!?
舞茸はアメリカで『マジック・マッシュルーム』と呼ばれ、海外でも研究が進められてきました。
舞茸には2種類の食物繊維が含まれています。多く含まれる水溶性食物繊維は、善玉菌であるビフィズス菌などを増やし、腸内環境を整え便通を良くします。粘性があるため、腸の中をゆっくりと移動して空腹感を感じにくくすること、糖質の吸収を緩やかにし血糖値の急激な上昇を抑えてくれることで、太りにくい体質をつくります。
一方、不溶性食物繊維は、腸の中に存在する水分を吸収して数十倍にも膨らむことによって、腸壁を刺激して腸の動きを活発にします。また老廃物などの有害物質を身体の外へ排出させる働きがあります。
舞茸ダイエットやアンチエイジングで話題となったのは、上記に加え、舞茸にしか含まれない成分の効能です。不溶性食物繊維の一種β-グルカンから抽出された『MD-フラクション』『MX-フラクション』です。 Mは舞茸の頭文字です。細胞性免疫を活性化させたり、血管・血液系の生活習慣病の予防に効果があるという研究結果が発表されています。人間用~ペット用までサプリメントも市販されていますが、1日 1/2~1/3パック(30~50g)の舞茸を普段の食事にとりいれるだけでもよいとされています。
(β-グルカンは消化されずに腸まで届き、腸の内壁にある免疫細胞に働きかけるので、できるだけ空腹時に食べるのが効果的のようです)
舞茸パワーを最大限活用する、おススメ調理法は!?
たくさんの効果が期待できる舞茸ですが、調理方法が肝心です。
特有の有効成分は水溶性なので水洗いは極力控えます。
煮ると濃厚なダシがでますが、独自の有効成分が高温に弱いため(130度以上でMX-フラクションが分解)長時間の調理は注意が必要です。
煮汁が黒ずむのは、有効成分が煮汁に出ているためですので、汁も一緒に食されるといいですね。
秋田のきりたんぽ鍋には欠かせない食材です。是非ご家庭の様々なお鍋にもお加えください。
また、舞茸ご飯や炒めものにすれば、栄養分をもれなく全ていただけますね。
サクサクの舞茸天ぷらやフリットはいかがでしょう?!
小麦粉50g、冷水70ml、大匙1のマヨネーズを軽く混ぜ合わせた天ぷら衣で、サックサクに仕上がります。
水気をきりみじん切りにしたパセリを衣に加え、レモンやニンニクを添えればイタリアンのフリットに。
ハーブ塩、カレー塩、抹茶塩、ピンクのヒマラヤ岩塩など色とりどりの塩で楽しむのもいいですね。
ヘルシーでボリュームもあり、お花のようなふわっとした形、特有の香り、舞茸をつかった一品は、冬の美味しい大ご馳走に。心も踊ります!
舞茸パワーで冬を賢く元気に乗り切りましょう。