陛下は記者会見で、自身の著書『テムズとともに』についても触れた。
著書で陛下は、故エリザベス女王をはじめとする英王室のメンバーとの交流や、英国の歴史を背景にした国民性や生活習慣への考察、ライフワークとなった水の研究に至る過程、大学での講義などについてつづっている。
ディスコの「ドレスコード」でNG
また、学生仲間と夜の街に繰り出した際の失敗談など、陛下らしい述懐も見つけることができる。
私はいかにもディスコが好きそうなMCR(※編集部注:ミドル・コモン・ルームの略)のある男性と一緒にとあるディスコに入ろうとして、入り口で差し止められてしまった。理由を聞くと、ティーシャツやジーンズではその晩は入れない由である。ちなみに、私がジーンズ、友達がティーシャツ姿であった
この話には、きちんと「オチ」もついている。
さらにその人は私たちの後方にいた警護官を指差し、「あなたは結構です」と言った。彼はネクタイこそしめていなかったが、ブレザー姿であったから許可されたのであろう
陛下らしいユーモアに満ちた失敗談だけに、読んでいて笑顔になってしまう。
ドレスコードで入れなかったディスコには、後日きちんと「リベンジ」を果たしたようだ。
二度目は、MCRの女子学生も含む男女混合のメンバーで、平日に前回とは違うディスコへ行った。生まれて初めて入るディスコのこと、内部の騒音は聞きしにまさるものと思った。(略)私もまったく自己流のステップで踊りの仲間入りをし、MCRの女学生と向かい合って踊ったりしたので、退屈するようなこともなかった
陛下がディスコを後にしたとき、すでに夜中の2時を回っていた。
私にとって生涯最初で最後のディスコであったかも知れない