セ・リーグの野手で期待以上の活躍を見せているのが来日2年目のカリステ(中日)だ。昨年は47試合に出場して38安打、5本塁打、打率.233という成績に終わったが、今年は開幕からあらゆるポジションで出場し、ここまで規定打席不足ながら打率.305、5本塁打と結果を残しているのだ。特に左投手を相手には4割を超える打率をマークするなど滅法強く、積極的なバッティングはチームに勢いを与えている。内野も外野も守れるというのも大きな武器だ。昨年の成績を考えると残留には疑問の声も多かったが、ここまでの成績を見るとその判断は正解だったと言えそうだ。

 今回紹介した5人を見ても、昨年の成績からは考えられない飛躍を遂げており、ブレイクする選手はいきなり良くなるというのがよく分かる。それだけに、残りのシーズンでも驚きの活躍を見せてくれる選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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