ところがキャンプ、オープン戦からアピールして初の開幕スタメンを勝ち取るとヒットを量産。5月に入って一時は少し調子を落としたものの、交流戦では再び盛り返し、ここまでパ・リーグ2位となる打率.331を記録しているのだ。ちなみに両リーグで田宮以外に打率3割を超えているのは近藤健介(ソフトバンク・.346)とサンタナ(ヤクルト・.314)しかいない。また盗塁阻止率についても両リーグトップとなる.429をマークしており、守備面での貢献も大きい。このまま順調にいけば、侍ジャパンの時代の正捕手となる可能性もありそうだ。

 パ・リーグの投手で名前が挙がるのが鈴木昭汰(ロッテ)だ。2020年のドラフト1位で高い期待を受けて入団したものの、過去3年間の成績は42試合に登板して2勝7敗1ホールド、防御率4.25という数字に終わっている。しかし今年は開幕から左のセットアッパーの一角に定着すると、ここまで25試合に登板して自責点0と素晴らしい活躍を見せているのだ。23回1/3を投げて被安打15、9四死球と完璧に抑え込んでいるわけではないが、走者を背負ってから落ち着いて投げることができるようになったのが大きな成長だ。また左打者だけでなく右打者もしっかり抑えており、イニングを上回る25奪三振という数字も見事である。今後も勝ちパターンの中継ぎとしてかかる期待は大きい。

 一方のセ・リーグの投手ではアドゥワ誠(広島)を挙げたい。プロ2年目の2018年には中継ぎとして53試合に登板し、翌2019年には先発に転向して3勝をマークしたが、それ以降は調子を落として3年間は一軍登板なしに終わっている。昨年はリリーフとして14試合に登板して4年ぶりの勝利をマークしたが、そこまで目立った成績は残していない。ところが今年は再び先発に転向すると、開幕からローテーションに定着。ここまで10試合に先発して5勝2敗、防御率3.15と貴重な戦力となっているのだ。特に良くなったのがフォークボールで、130キロ台のスピードがありながら落差が大きく、決め球として十分な威力を発揮しているのだ。疲れが出てくる夏場以降に調子を落とさないことが重要になるが、このままいけば自身初の二桁勝利を見えてくるだろう。

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