石丸氏は開口一番「推薦はいらない」
維新幹部が内情を明かす。
「今回の都知事選では、小野氏ではなく東京選挙区の参院議員である音喜多駿・政調会長が候補にあがった。SNSでも、一時はやる気があるような投稿もして、記者会見前に冗談っぽく、『都知事選に出る音喜多です』と笑いをとっていた。が、本気で出る気はなかったようです。都知事選に誰かいないのかという話になったときに、石丸氏が出馬というニュースが流れた。安芸高田市を劇的に改革した石丸氏は、維新からみてもシンパシーがあり、政策も似ている。ぜひ、維新からどうかという話にはなった」
そこで、維新は馬場伸幸代表と藤田文武幹事長、柳ヶ瀬裕文総務会長、音喜多氏と幹部がそろって石丸氏に会ったという。その様子を知る関係者が、こう話す。
「石丸氏は開口一番、『政党推薦はいらない』と藤田氏に言いました。藤田氏は都知事選なので、音喜多氏、柳ヶ瀬氏ら東京から選出されている人が決めるべきと対応を任せた。石丸氏も『維新と考えが共通する点はある』というので話を重ねたそうです。しかし、推薦はいらないと貫く石丸氏の前に維新が撃沈した格好になります」
一方、維新の国会議員によると、こんな話がある。
「柳ヶ瀬氏は『オレから石丸に断ってやった』と触れて回っていた。けど、石丸氏から袖にされたことは、党内では有名。素直に断られたと認めればいいのですが、メンツが許さないのでしょう」
それで、冒頭のように石丸氏を直撃して確認したのだが、
「私から維新にお願いしたことはまったくありません。それより有名な会社の創業者からご支援もいただけそうです」
とのことだった。石丸氏の関係者に確認したところ、大手コーヒーチェーンの創業者が支援している模様だ。
石丸氏に袖にされた維新が、最後にすがろうとしたのが小池知事だった。「大阪都構想」が霧散し、看板政策がない維新。今は来年春の大阪・関西万博を成功させることが「維新の手柄」という戦略だ。