北信越で久しぶりの出場に期待がかかるのがこれまで春夏合わせて22回の出場を誇る金沢(石川)だ。近年の石川県は今年のセンバツにも揃って出場した星稜と日本航空石川が二強となっており、釜田佳直(元・楽天)がエースとして活躍した2011年(春夏連続出場)以来甲子園出場からは遠ざかっている。
昨年秋の県大会も準々決勝で星稜を相手に1対8と大敗を喫したが、冬の間にチームは大きく成長。春の石川県大会では3試合で25点を奪い、準々決勝の日本航空石川戦も延長10回タイブレークの接戦を演じている。ショートの斎藤大翔はプロのスカウトも注目するドラフト候補であり、そういう点でもこの夏の戦いぶりに注目してもらいたい。
全国一の出場校数を誇る愛知で復活の期待がかかるのが享栄だ。夏は1995年を最後に甲子園から遠ざかっているが、ライバル校である中京大中京で全国制覇も達成した大藤敏行監督が2018年8月に就任。それ以降は度々あと一歩というところまで勝ち進んでいる。
今年のチームは昨年の東松快征(現・オリックス)のようなプロが注目するような投手は不在だが、春の県大会では準決勝でセンバツ出場の豊川、決勝では中京大中京を破り見事に優勝を果たした。続く東海大会では初戦でエースを温存したこともあって序盤に大量失点を喫し、菰野(三重)に7対9で敗れたものの、終盤にはあと一歩のところまで追い上げを見せている。今年の愛知は本命不在という印象だけに、享栄にも十分にチャンスはありそうだ。
今年春の大阪は大阪学院大高が履正社、大阪桐蔭を相次いで破って優勝を果たして大きな話題となったが、もう1校面白い存在になりそうなのが興国だ。1968年に夏の甲子園優勝を果たしたものの、1975年を最後に約50年近く夏の甲子園出場からは遠ざかっている。しかし2018年夏に元ロッテの喜多隆志監督が就任するとチームの成績は上昇。昨年秋は3位、今年春は準優勝と優勝まであと一歩のところまで迫っているのだ。