帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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※写真はイメージです (c)朝日新聞社
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 4日放送の「マツコの知らない世界」(TBS・毎週火曜午後8時55分)は「文房具&国産ニンニクの世界」だ。国産ニンニクのプレゼンには年間400個のニンニクを食べる超エネルギッシュ夫婦が登場する!そんなニンニクにまつわる過去の人気記事を振り返る。(「AERA dot.」2019年2月11日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「ニンニク」。

 私は自分の健康法について聞かれると「目には青葉朝の気功に 夜の酒」と言ってきました。これは江戸時代の俳人、山口素堂のよく知られた句「目には青葉山ほととぎす 初鰹」を拝借したものです。

 というのも、私はこの句が好きなんです。いや、ここで詠まれる旬の初鰹が大好きなんですね。

 まだ空に陽の残る、そして風薫る五月の宵、初鰹での一杯を期待して居酒屋さんの戸を開けるときの気持ちは何ものにも代えられません。赤々と燃える鰹の刺し身に、ニンニクのスライスを貼り付けるようにしていただく。もうこれは至上の喜びです。そのニンニクがどうも認知症予防の強い味方らしいのです。こんなにうれしいことはありません。

 ニンニクはビタミンB類が豊富で強力な抗酸化作用を有しています。米国の国立がん研究所がすすめるがん予防食の筆頭にくるのが、ニンニクなのです。ですから以前から一目おいていました。

 中枢神経系の薬理学が専門の東京大学名誉教授の齋藤洋さんが監修した『認知症はこうしたら治せる』(ナショナル出版)に詳しいのですが、ニンニクに含まれるイオウ化合物に認知症予防効果の期待が高まっているのです。

 イオウ化合物を含む野菜にはタマネギ、ニラ、ネギ、ラッキョウなどがありますが、ニンニクだけに含まれるS−アリルシステインというイオウ化合物がとてもいいようなのです。

 S‐アリルシステインには抗酸化作用、肝機能保護作用、免疫賦活(ふかつ)作用、抗がん作用などがある上に、脳神経を保護し、神経突起の成長を促す効果を持っているというのです。

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