NHK大河ドラマ光る君へ」(日曜20時)の撮影はどうですか? 順調ですか?

吉高:うん、順調だと思う。主演にしては珍しいかなというくらい、休みもちゃんとあって、先日も撮影が2週間くらい空いたから海外に行ってきた。内裏の物語と塀の外の物語が並行して進んでるから、こういうスケジュールになるんだろうね。今のところ切羽詰まった感じはなくて、穏やかにやってるよ。

松下:へー。とはいえ、プレッシャーとかも?

吉高:撮影が始まる前はあったかな。でも、始まってしまえば、いち現場として同じ感覚だね。

松下:僕は初めての大河なので、最初はすごく緊張していました。でも、現場の雰囲気がすごく明るくてびっくり。吉高由里子パワーだと思いました。どこいっても、ああなんだね(笑)。

吉高:え? どんよりした現場なんてある? 

松下:(笑)。ピリピリしてるというか、会話がないような時はあるよ。そういう空気の方がみんなが集中できるからなんだろうけど。

吉高:私、気を散らしてる?

松下:いや、そういうことではないよ(笑)。いつでも、ここだったら大丈夫だと思える空気感を作ってくれるのは、すごいなと思ってるよ。スタッフさん一人一人の名前を覚えてるし、良い関係を築けていることが素敵です。そのスタイルは、いつ頃からなの?

吉高:21、22歳くらいの時に、その方が楽しいと気づいたの。それまでは自分が関わるところだけ出て、すぐに控室に戻るようなこともあったけど、一期一会でしょ。二度と同じメンバーの現場はないし、そこにどれだけ自分が浸れたかどうかで充実感が変わる。09年にフジテレビ系ドラマ「東京DOGS」で共演した小栗旬くんが周囲を巻き込んでいくタイプで、ああ楽しいなと思ったことがきっかけかな。

松下:自分が楽しむためというのがいいですね。名前を覚えてもらえたらみんな嬉しいし、現場の空気も明るくなる。この人のためにがんばろうと思わせるんですよ、吉高さんは。

吉高:めちゃくちゃ良いこと言ってくれるね。ほめ殺しコーナーなの?(笑)

松下:本当に思ってるよ。小栗さんの刺激をもらうまでは、つんつんしてた頃もあったの?

吉高:そりゃそうだよ! 若い頃ってちょっと背伸びして、自分を大きく見せようとするじゃん。でも20歳過ぎて、スタッフさんたちと飲みに行く機会が増えて、その人たちの人間ぽさを感じた時は好きになった。ちゃんと気持ちがあって現場にいるけど、目をつむって言えないこともあるんだなって。ポイズン、ポイズン。「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON!(反町隆史)」

松下:あははは(笑)。

(構成/編集部・古田真梨子)

AERA 2024年6月3日号

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古田真梨子

古田真梨子

AERA記者。朝日新聞社入社後、福島→横浜→東京社会部→週刊朝日編集部を経て現職。 途中、休職して南インド・ベンガル―ルに渡り、家族とともに3年半を過ごしました。 京都出身。中高保健体育教員免許。2児の子育て中。

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