AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2024年6月3日号では、グラフィックデザイナーでアートディレクターの白石哲也さんとギャラリー店主の白石乙江さん夫婦について取り上げました。
* * *
夫28歳、妻31歳で結婚。2人暮らし、長男(26)と長女(24)は独立。
【出会いは?】共通の友人との食事の場で出会う。当時、妻もグラフィックデザインの仕事をしていて話が合った。
【結婚までの道のりは?】付き合うというより、その時々のきっかけで会ったり会わなかったりを繰り返す。何回か喧嘩別れするものの「感覚的に合う」(妻)、「直感で」(夫)、結婚するならこの人と互いに思うようになり、出会いから2年ほどで結婚。
【家事や家計の分担は?】家事は分担していない。主に妻が担う。夫は空間をすっきりさせたい性分だが、物があると安心するタイプの妻を尊重し、掃除も手を出さないようにしている。家計は一緒。
夫 白石哲也[56]グラフィックデザイナー・アートディレクター
しらいし・てつや◆1967年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学卒業。広告制作会社に勤務後、独立。広告や通販カタログ、書籍装丁などのデザイン業を営みながら、妻と大阪府池田市の山手でギャラリーを10年運営。現在は京都府綾部市で新たな場づくりのための準備に移行している
僕たちはタイプが違います。人と距離があった方が落ち着く僕に対し、乙江さんは相手に壁を感じさせず、程よい距離感で入っていける。場所の感覚も違って、僕は物質的に見ていますが、人と人の間の空気のような、目に見えない場を見ている感じがします。まあお互い独特です(笑)。ここで10年間一緒に場づくりしてきたことで僕も変わっていきました。そして立ち退きと同時に、田舎で家と土地を譲り受ける話が来ました。