イラスト:サヲリブラウン

 東京から遠く時間もかかる事実は、食材でたとえるなら無駄と切り捨てられる部位です。しかし、それをゆっくり味わえる余裕が、東京では無駄を極端に嫌う私にもまだあったことは嬉しい発見でした。

 帰路、名古屋駅は世界中からの観光客で大賑わい。どこも長蛇の列で、先ほどまでのゆったりムードは一気に消滅。出張でくるとこういう感じにのみ込まれるのよね。集えばよいというものではない。

 体験から「無駄」という生ごみを出さず、余すところなく味わうこと。人生後半のテーマのひとつになりそうです。

AERA 2024年6月3日号

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