――清原が感じた、草なぎの持つ“すごさ”とはどのようなものだったのだろう。

清原:私が言うのもおこがましいのですが、“空間の支配力”がすごいな、と感じていました。草なぎさんがいらっしゃると、空気の色がガラッと変わる気がするんです。いい意味で緊張感があり、自然と背筋が伸びる。私の目には、草なぎさんというより「格之進」という人物として映っていました。「ちゃんと父上についていかないと」と思いながら毎日、片足を震わせながら現場にいた気がします。

 私が感情を表に出すハードなシーンの後に、草なぎさんは撮影用に用意されていたお出汁をサッと出して「これ、飲むといいよ」と言ってくださいましたよね。涙を流すシーンの後に、お出汁をいただいて「草なぎさんの温かさが、しみるな」と。とてもありがたかったです。

草なぎ:清原さんって、思わず周囲が何かをしたくなってしまう人なのだと思う。芝居でもそう。俳優さんは皆さん、魅力的な方が多いけれど、特別な何かを持っているというか。「あなたには素晴らしい華がある」と言いたい。

清原:現場で集中し、あまり話さなくなると「怖いね」と言われてしまうことがあって、それが最近の悩みだったので、そう言っていただけてありがたいです。

草なぎ:その集中力も、きっと魅力なんだよ。集中している時と、現場で「差し入れのお煎を食べちゃおうかな?」「甘いものは食べない方がいいかな?」なんて言いながら迷っている等身大の女の子のところもあって、役を演じている時とのギャップも魅力的。

清原:いまから雷が落ちるのではないか、と思うくらい褒めていただいています(笑)。うれしいです。

熱量を感じてほしい

――緊張感のある物語ではあるが、どこか凛とした美しさがある。二人はでき上がった作品を観てどんなことを感じたのだろう。

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