新NISAでは値上がり益重視がいいのか、投資信託の分配金や株の配当を受け取ることを優先したほうがいいのか。この記事からヒントを見つけてほしい。
【図表2つ】配当や分配金受取時に何が減るか分かる図はこちら!
新NISAでは「eMAXIS Slim」や「SBI・V」「楽天・プラス」といったシリーズなど、分配金を出さずに投資信託(以下、投信)の中で再投資してくれるタイプのインデックス型投信が人気だ。
そして毎月分配型の投信は新NISAでは買えない。ただ、新NISAの「成長投資枠」で買える「年4回分配」や「隔月分配」の投信が続々登場している。
日本の個別株は高配当の銘柄を中心に買われており、日本人の「配当・分配金好き」がよくわかる。老後も新NISAを活用して、非課税で配当や分配金を受け取り、生活費に充てるニーズが高いのも事実。
年4回の分配金がもらえる投信が人気を博している、SBIアセットマネジメントの代表取締役社長・梅本賢一さんは、こう語る。
「老後世代だけでなく、資産形成期の若年層の方々も暮らしにお金が必要。非課税で分配金という果実が受け取れる投信には20代、30代の方からもかなりの需要があります。予想以上で驚きました」
効率重視なら再投資
分配金を受け取るか、その同じ投信の再投資に回すか、どちらがいいかという問題に正解はない。「好み」だからだ。
ただ新NISAという非課税制度を「最も効率的に使いたいなら」、分配金は受け取らず、再投資に回すインデックス型投信などで長期保有するのが合理的な考え方である。
図に示したが(本記事2ページ目に掲載)、配当や分配金を受け取ると、その分、運用資産は目減りする。
株の配当、投信やETFの分配金は、ある意味、運用資産の一部を利益確定しているのに等しい。
運用益を再投資に回して、利益がさらに利益を生み出す複利効果を最大限発揮させたいなら、分配金を自動で再投資してくれるタイプの投信がいいだろう。
「eMAXIS Slim」を運用する三菱UFJアセットマネジメントの野尻広明さんに聞いた。