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高校生のとき、カウンセリングで言われた言葉が引っかかる。
「自分で自分を肯定できるようになりましょう」
「自分で自分のことを愛してあげましょう」
それができれば確かにこの満たされない気持ちは解決されるだろう。しかし、私はどうしてもやるせなさを感じてしまう。
なんでみんなが幼少期に得た肯定や愛、親からの興味関心を、私は今求めてはいけないのだろう。子供の頃にもらえなかった人は、もう諦めて、自分で供給できるようになってくださいなんて納得できない。
私は私の存在をただ肯定してほしいだけなのだ。
変わらない愛情がほしいだけなのだ。
これからも私は努力し続けるだろう。一番認めてほしい人の承認を求めて。終わりのない競争に参加し続けるだろう。
「AERA dot.」鎌田倫子編集長から
ハッと目が覚めるような内容でした。「自分自身を愛せ」というよくわれわれが口にする「いい助言」に疑問を投げかけているからです。胸に渦巻く感情も痛いほど伝わってきました。
耳障りのいい言葉は安心ですが、思考停止受け入れてしまいがちです。ひとりひとり「真理」は違うのだと気づかされました。普遍の真理はないならば、黒宮さんの心も今後、変わることもあるかもしれないし、ないかもしれない。今は終わりのない競争を続けるつもりでいる黒宮さん。何年後かに同じお題でエッセーを書いてみてほしいと思いました。