草なぎ剛(くさなぎ・つよし、左):1974年生まれ、埼玉県出身。映画出演作に「山のあなた 徳市の恋」「台風家族」「まく子」「ミッドナイトスワン」など/清原果耶(きよはら・かや):2002年生まれ、大阪府出身。近年の主な出演作に映画「1秒先の彼」、舞台「ジャンヌ・ダルク」など。映画「青春18×2 君へと続く道」が公開中(撮影/植田真紗美)※映画「碁盤斬り」(監督:白石和彌)は5月17日から全国公開/

空間を支配する力

――物語においては、親子ではあるものの同志のような、共犯関係にあるような、不思議な関係性が垣間見える。

草なぎ:清原さんの持つグルーヴがいいなと、最初から感じていて。父と娘が不思議と仲が良くて、いい始まり方だな、とも感じていました。清原さんは現場では(共演者の一人である)中川大志君と熱心に囲碁の練習をしていたよね。

清原:役にあやかって、勉強していましたね。やるからには、中川さんに勝ちたいという気持ちもあって。

草なぎ:カットがかかる度に、二人で本気で囲碁をしていたよね。清原さんは吸収力がすごい。僕はコーヒーを飲みながら、そんな二人を眺めていたけれど(笑)。

清原:以前もお伝えさせていただいたのですが、私は草なぎさんが主演をされた映画「ミッドナイトスワン」が大好きで。まさか草なぎさんの娘役として現場でご一緒できるとは想像もしていなかったので、毎日緊張していました。現場に入られると「父上がいらした、今日も頑張ろう」と。役柄のうえでも「父上のためなら腹を括ろう」と思っていました。

草なぎ:清原さんはエネルギーを持っている方で、内側から湧き出る娘としての思いが伝わってきた。僕にとっても、格之進という人間にとっても、こんなに可愛い娘がいるから奮闘できた、というのもあると思う。格之進にとって大切なシーンでも、やはり清原さんの顔を思い出しながら演じていたから。清原さんのグルーヴがとても良かったから、スッと世界観に入ることができた。

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