そして何と言っても、今は良くも悪くも「お客様至上主義(金払っている方が偉い)」の時代です。そんな折に、星野源さんが放った呼びかけは、ともすれば「客に向かって何を抜かす!」と総スカンを喰らうリスクすらあるわけで、すでに「好きに踊れという同調圧力だ!」とイチャモンをつけているネット民らしき人たちも出現しているのだとか。
同調圧力にはアレルギーがあるけれど、全体主義的一体感は心安らぐという大いなる矛盾。別に日本のフェス会場が、アメリカやイギリスのそれみたいになる必要など、まったくないとは思いますが、いずれにせよ、星野源さんの呼びかけは、同じステージに立つ側の人間として非常に興味深い上に、何か変化のきっかけになればいいなと願わずにはいられません。
そんな私も、先日COMPLEXの再結成ライブを鑑賞し、客席から思い切り拳を振り上げて大声で歌ってきました。まさに「日本一心」。慶應大学の応援歌は恥ずかしくて合唱できないけれど、COMPLEXはひたすら思春期時代にタイムスリップした状態で、大声で「ドーンストーップマーイラーブ!」を唱和してきた次第です。
次回も星野源さんへの敬意も込めて、ステージにおける演者と客席の境界線について思うところを書きたいと思っています。