「今回悪用されたとみられるサイトの価格帯ではマンパワーが割けないので、『防止策と言われても……』というのが運営側の本音だと思います。この価格帯を維持したまま講じられる対策をあえて挙げるとしたら、受験生本人だけでなく、保護者の住所氏名を登録させるといったことですね」

 コロナ禍という状況下で、オンラインでの受講も可能な家庭教師のマッチングサイトは存在感を強めてきた。

「コロナ以前は塾や予備校、対面式の家庭教師が主流でしたが、コロナ後は感染リスクのないオンライン授業のスタイルへのニーズが高まりました。その中で、マッチングサイトの提供するサービスはコロナの状況下にうまくはまりました。講師にとっても、対面式だと訪問可能な範囲の生徒しか対象になりえませんでしたが、オンラインであれば北海道や九州の生徒も対象になるので、生徒を簡単に見つけられるというメリットがある。今回の事件でこうしたサービスは非難されていますが、ニーズがある以上、利用者は大幅には減らないだろうと私はみています」(石渡氏)

 便利なサービスであるのは間違いないが、利用するのは高校生や大学生。トラブルが生じないよう、安全対策の強化が求められている。(AERA dot.編集部・飯塚大和)

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