狩野英孝(C)朝日新聞社
狩野英孝(C)朝日新聞社

 14日放送の「ロンドンハーツ」(テレビ朝日・毎週火曜午後11時15分)で狩野英孝扮するアーティスト「50TA(フィフティーエー)」の企画が始動するのが話題だ。もともとは、2009年に狩野英孝に「オリジナルCD発売ドッキリ」を仕掛けるというものだったが、なぜか人気に。アルバムがオリコン9位にランクインしたり、ライブも行った。どんな活動再開となるか期待が高まる。そんな狩野英孝の過去の人気記事を振り返る。(「AERA dot.」2021年6月19日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 6月15日、狩野英孝が自身のツイッターにて一般女性と結婚したことを報告した。何かと世間を騒がせてきた彼が、新たな一歩を踏み出すことになった。

 いまや芸能人にとって、スキャンダルとはイエローカードではなくレッドカードに近いものになりつつある。単なる警告だけで済まされるケースは少なく、一発退場を余儀なくされることも多い。

 取り返しがつかないほど人気や好感度を急落させてしまったり、そのまま引退してしまったりすることもある。特に、もともとイメージが良かったタレントほど、そのダメージは深刻なものになりがちだ。

 その点、狩野英孝は特異な存在である。不倫、6股(のちに本人が「8股」と訂正)、未成年女性との淫行疑惑と、数々のスキャンダルを引き起こしながらも、しぶとく生き残り、いまだに愛すべきポンコツ芸人として活動を続けている。

『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)で披露する歌ネタも話題になっているし、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)から生まれた「50TA」としての音楽活動も好調。

 さらに、最近では自身のYouTubeチャンネル「狩野英孝【公式チャンネル】EIKO!GO!!」でのゲーム実況企画が大人気で、登録者数は100万人を超えた。いまやゲーム実況者としては国内屈指の人気を誇っている。

 不倫騒動ひとつで身を滅ぼすタレントが数多くいる中で、なぜ狩野だけが許されているのか。その秘密は、彼の中に眠る「かわいげ」の埋蔵量が尋常ではないからだ。

 タレントとしての狩野英孝の魅力は、本人が思っている自分と他人が見ている自分との間に「ズレ」があることだ。このズレ具合が実に絶妙なのだ。

 芸人としてあれだけ長く活動しているのに、狩野はいまだに自分の面白さに気付いていない。テレビの収録に臨むと、自信があるときほどオンエアではカットされていて、手ごたえがないときほど面白がられて評判がいいのだという。

 そんな狩野の一世一代の大仕事と言えるのが、あの伝説の謝罪会見である。未成年女性との淫行疑惑を報じられた狩野は、報道陣に囲まれて釈明と謝罪を行った。相手の実年齢に気付いたきっかけを「野生の勘」と語るなど、彼らしい珍回答・珍発言を連発し、日本中を爆笑の渦に巻き込んだ。本人は真面目に反省していたつもりなのかもしれないが、個人的にはこのパフォーマンスに拍手喝采を送っていた。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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不祥事を起こしたタレントの謝罪会見は必要?