「つばさの党」の根本良輔氏=2024年4月

「妨害と言いますけど、これ、やる権利があるんですよ。警察官の方にも確認しました。これを規制する法律はありません、悪いけど。警察官とちゃんと連携を取ってやっているんで。酒井さん、答えた方がいいですよ。あんたが答えないから、この人たちは演説が聞けないんですよ。答えたらいいじゃん」

 そして独自の立憲批判を展開すると、聴衆からは「帰れコール」が起きた。

 ついには立憲陣営が、

「本日の街頭演説会は中止とさせていただきます。誠に申し訳ありません」

 とアナウンスし、酒井氏は演説することなく選挙カーに乗った。

「クソみたいなやつらが政治をやっている」

 それを見た根本氏はさらにマイクで、

「バカがいっぱいいて立憲に投票するから、消費税を減税すると言って消費税が上がったりするの。ウソついたじゃん。なんで目が覚めないの」

「民主党(政権)がつぶれて自民に戻ったでしょう。だから与党も野党もダメだってなって、どこの政党も応援できないってなったんじゃん。こういうクソみたいなやつらが政治やっているのがおかしい。だから、こういう集団が現れる。わかるでしょう」

 などとまくし立てた。

 酒井氏の選挙カーがそこから去ると、そこにNHK党の立花孝志党首が乗用車で現れた。つばさの党代表の黒川氏は、もともとは立花氏がつくった「政治家女子48党」(現、みんなでつくる党)の幹事長だった。

  立花氏は、黒川氏との間で争っている件について、黒川氏に質問しにきたといい、その後、黒川氏が反社会勢力に金銭を「支払った」「支払っていない」などといったやりとりが約30分続いた。おおよそ、政策論争とはかけ離れたものだった。

 最後、黒川氏は「タッチー(立花氏)ありがとう、イエイ」などと言って、黒川氏から手を差し伸べ、立花氏と握手をして、立花氏は去って行った。

 根本氏は再びマイクを取り、自分たちがやっていることをこう正当化した。

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「僕のチラシを受け取って、僕の演説を見てくれてる」