「大好き」が新鮮

――ミュージカルとバンドサウンドが掛け合わさったような清竜人(きよしりゅうじん)の提供曲「Friends Friends Friends」で描かれる友情には、15年間の歴史が表れている。

玉井:清さんに作っていただくのは4曲目で、今回の「Friends~」には違う道を歩んでいったメンバーのことや離れてしまったファンの方を思わせる歌詞があり、様々な別れを経験して今の私たちがあることを示しています。サウンドは楽しいムードですが、歌詞からは切なさを感じると同時に、これからも進んでいくたくましさも感じる。今のももクロにふさわしい曲です。

高城:歌詞にある「嬉しくてどうしよう」という言葉は、私が嬉しいことや幸せなことがあった時によく使っている言葉なのですごく共感しました。

百田:「大好き」という歌詞がありますが、今までももクロの曲にこういうストレートなフレーズはなかったので珍しい。(グループ初期の曲である)「走れ!」の歌詞は元々「好きで好きで好きで」というフレーズだったのに、「走れ!走れ!走れ!」に変わりました。ずっとこういう曲を歌っていなかったからこその新鮮さがあります。

――唯一無二のアイドルグループとして歩み続けて15年。マインドはどう変化したのだろうか。

百田:一人で活動していたら力強くいられない時もあると思いますが、ももクロで活動していると何があっても最終的には何とかしてやろうというマインドのまま変わらない気がします。10代の頃から「逆境こそがチャンスだぜぃ」と歌ってきましたが、コロナ禍でライブができなかった時もみんなでできることを考えて楽しいことに飛び込んでいきました。

玉井:がむしゃらに日々突き進んでるところは変わらないですが、何か問題が起きたら走るのを止めて寄り添うことができるようになったのは成長だと思っています。

感謝の気持ち強く

佐々木:最初は学生でしたし、とにかく必死に頑張っていましたが、自分たちがやってきたことが自覚できるようになり、予定を空けてチケット代を払って私たちに会いに来てくれる皆さんがいることへの感謝の気持ちが強くなりました。「もっともっと楽しもうね」という気持ちが増しました。

高城:緊張や不安で目が泳いでしまうところは全く直らないですが(笑)、15年間やってこれたからこそ自信がつきました。昔はすぐにくよくよしていたけれど、ある程度のことは何とかなることを知って度胸がついた。ただ、いまだにやるべきことをなかなかすぐに実行できないことも多いので、人間的にもっと自立したい!と思います。

(ライター・小松香里)

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