田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)
田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)>>本の詳細はこちら

 常に冷静でいよう。常に状況を見回して、今は戦うべき時か、武器を研ぎ澄ますべき時か判断する頭を持とう。戦うとなったら、自分にとって最大の戦果を得られる戦いを選び、確実に勝利するように周到な準備が必要だと心得よう。

状況を把握したうえで手段を選べ

 『頭に来てもアホとは戦うな!』を上梓してから、次の二点について、聞かれることがよくある。

 大事なのは、頭に来ても"アホ"とは戦うなということ。つまり、アホ限定で戦うことの禁止を訴えているのだ。だから、アホではなく価値ある戦いなら挑めばいい。

 価値ある戦いとは何か? 「自分の人生を生きる」ための戦いだと私は思う。例えば、アーティストのオーディションで自分がやりたい役は一つしかなく、それを巡って何人も立候補しているとか、政治家になってライフワークとしてやりたい政策があるのにライバルがいっぱいというシチュエーションとか、そういう場合だ。

 戦うかどうかを見きわめる点は、「対象がアホであるかどうか」だ。

 言い換えれば、たった一度の大切な人生を賭ける価値がある相手かどうかだ。

 もっといえば、戦うことは手段でしかない。目的は自分の人生を謳歌することである。

 そのための手段として戦うしか選択肢がないなら戦うべきだろう。

 それ以外に平和に目的が達成できるなら、戦わずして勝つ、つまり、目的が達成できる手法をとるべきといえる。

 逆に、自分の人生を生きることや自分の人生の目的に関係ないなら、戦わずに放っておけばいいだろう。嫌われて怨念を浴びないよう、適度に距離をとりながら、いなしていけばいい。

 相手がアホならなおさら。いかにそのアホのせいで苦しんでいる人がたくさんいても、そのアホを完璧に抑え込んで反撃されないくらい撃滅できる力が自分にないなら、戦っても皆の役に立たないばかりか、恨みを買い、自分の人生の目的達成が遠のくばかりとなる。

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