トレリスとリーフ ネックレス ジャン・シュランバージェ for Tiffany & Co.(c)Tiffany&Co.
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 日本では約17年ぶりの開催となるティファニーのエキシビションが東京・虎ノ門ヒルズの「TOKYO NODE」で始まった(6月23日まで)。来日した社長兼CEOのアンソニー・ルドリュ氏が語るブランドの本質とは。AERA2024年5月13日号より。

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ザ ティファニー ダイヤモンド(c)Tiffany&Co.

 ティファニーのジュエリーをモチーフにした映像に包まれるドーム形のギャラリーを抜けると、ブランドの原点と言えるアイテムが展示された部屋へと誘われた。

 1837年の創業当時に使用されたレザー製の現金出納帳、初期の「ブルー ボックス」、1800年代後半に制作されたジュエリー。「ティファニー ワンダー 技と創造の187年」は、世界初公開となる180点の作品を含む約500点のアイテムが一堂に会するエキシビションだ。日本で同ブランドのエキシビションが開催されるのは約17年ぶりのことだ。

ブローチ ジュリア・マンソン for Tiffany & Co. ルイス・コンフォート・ティファニー監修(c)Tiffany&Co.

オードリーに魅せられ

 時代を反映させたショーウィンドーを再現した「夢の世界」、日本との強い結びつきを改めて感じさせる「日本への愛」など、10のルームからなる。映画「ティファニーで朝食を」の映像が流れるシアター型のルームでは、主演のオードリー・ヘップバーンに魅せられた記憶が鮮明に蘇り、感情を揺さぶられた。

「エキシビションは、ブランドそのものを表現している」と、ティファニー社長兼CEOのアンソニー・ルドリュ氏は言う。

「没入感のある始まりから、クラシックなジュエリーが美術館のように美しく展示されたルームへと続く。『ティファニーで朝食を』にフォーカスを当てたルームを体験すれば、誰もが笑顔になる。『自分にとってのティファニーはこれだ』という記憶が蘇ってくると思います」

 ルドリュCEOによれば、エキシビションは7割がクラシックなアプローチ、3割がデジタルを取り入れた現代的な要素で構成されている。そして、その多様な姿はいまの顧客の属性と重なるように見える。

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