お客さまとの話題に花が咲く着物
皇室ではこれまでも、海外からの賓客やゲストを女性皇族が和服でもてなしてきた。
春と秋に開催される園遊会は、国内の著名人らのほかに、日本に駐在する大使などを接遇する意味もあり、女性皇族は洋装と和装を交互に取り入れている。
晩餐会も、正礼装のティアラとドレスではなく、着物で出席することもある。午餐でも和服の機会が増えている。
2019年に来日したウズベキスタン大統領夫妻を招いた午餐では、皇后雅子さまと秋篠宮妃の紀子さま、長女の小室眞子さん、次女の佳子さまが着物姿で出席している。
宮中で侍従として務めた人物は、こう話す。
「女性皇族方が着物をお召しですと、お客さまとの話題に花も咲きますし、なによりゲストが喜ばれます」
ドレスコードは皇后が調整
先日のケニア大統領夫妻との午餐では、愛子さまの振袖姿での出席が期待されたが、淡い色のセットアップと後ろにふんわりとデザインされたリボン飾りが愛らしい帽子を着用していた。
なぜ愛子さまは、振袖ではなかったのだろうか。
「体調を崩していた秋篠宮妃殿下が出席を控え、急遽、愛子内親王殿下が出席というあわただしい午餐デビューとなったため、ひとつには準備をする時間がなかったと思われます」(前出の元侍従を務めた人物)
公式の場で女性皇族が集まる場合、ドレスコードは皇后が調整する。令和の時代から皇室を良く知る人物によれば、平成の時代は皇后であった美智子さまが和装か洋装か、もしくはドレスの色などを調整して各宮家に伝えていたという。
「令和に入ってからは、皇后雅子さまのご体調もありますし、また両陛下主催の行事が多く、雅子さまが決定なさることも増えたため、ドレスコードも以前よりは緩やかになっているようです。今回も皇后さまは着物、愛子さまは洋装でしたが、皇后さまがよろしければ特に問題はありません」