その貧打ぶりと勝負弱さの結果、開幕3カードを終えた時点では6勝3敗と白星先行で先発投手がQSをクリアした5試合は4勝1敗だったが、4月9日以降の15試合では先発投手が12試合でQSを達成して試合を作りながらも、2勝13敗の泥沼状態。援護率2.47はリーグ最下位であると同時に、昨季の中日の援護率2.69を下回るものになっている。このままでは、昨季の中日の先発投手陣(柳裕也4勝11敗、小笠原慎之介7勝12敗、涌井秀章5勝13敗、高橋宏斗7勝11敗)に続いて、不名誉な「10敗カルテット」誕生の恐れも膨らんでくる。

 この「10敗カルテット」を阻止するためには、打線が奮起するしかない。四球を増やして出塁率を上げることは重要になるが、ここまでのチーム四球数70は、トップのソフトバンク(100)にこそ劣るが、それに続くオリックスと楽天(ともに71)と同レベルと悪くない。チーム盗塁数14もリーグ2位タイで、足を使えていない訳ではない。とにかく、まずは単純に、ヒット数を増やすしかないのだ。

 5月を迎えて打線が活気づくか。現状のレギュラー陣に奮起を期待するとともに、現在2軍で4本塁打を放っている大卒4年目の渡部健人、大卒2年目の蛭間拓哉と育成出身で高卒3年目の滝澤夏央らが起爆剤になりたいところ。今年1月に左肘を手術して出遅れるも、すでに2軍で実戦復帰済みの鈴木将平の1軍昇格も待たれる。 

 あとは、今後の気温上昇から梅雨入りする中で、他球団の投手陣の疲労蓄積を待つことぐらいか……。いずれにせよ、2018年、2019年のパ・リーグを席巻した山賊打線を構成した面々、秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高、森友哉は他球団へ移籍しており、当時の姿を取り戻すことは不可能だ。ならば新しい西武打線を、時間をかけながらでも作り上げるしかない。そして自慢の先発投手陣が“無援護地獄”の中でも我慢を続けることができるか。西武が強くないと、パ・リーグは盛り上がらない。

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