いよいよ大型連休が始まった。普段は忙しく過ごしている人も、人生についてじっくり考えるチャンスだ。ゴールデンウィークは、過去に配信した記事の中から改めて読みたい人物ストーリーをお届けする。今回は江頭2:50さん。 ディレクターとして江頭さんを支える藤野義明さんに取材した(この記事は2023年5月21日に配信した内容の再掲です。年齢や肩書等は当時)。
◇
YouTubeで絶大な人気を誇るお笑い芸人がいる。体を張った破天荒な芸風でおなじみの江頭2:50だ。YouTubeチャンネル「エガちゃんねる」のチャンネル登録者数は371万人。配信される動画の再生回数は軒並み100万、200万回を超える。サブチャンネル「エガちゃんねる~替えのパンツ~」(登録者数92万人)を合わせると、チャンネル登録者数は460万以上で、ORICON NEWSのアンケート「好きなYouTuberランキング」で2021、22年と連覇を飾った。
動画を見て驚かされるのは、江頭2:50の秀逸なトークスキルだ。1人語りの「時効だから話せる話」だけでなく、素人と積極的に絡む「街ブラ」でも笑いを取る。相手を傷つけない笑いで、出演者やスタッフに「ありがとう」、「ごめんね」と声を掛けるなど細やかな気配りも目立つ。テレビでは大暴れする破天荒なキャライメージが強いだけに、ギャップのある素顔を新鮮に感じた視聴者も多いだろう。
「エガちゃんねる」のディレクター・藤野義明さんはこう語る。
「体を張った企画は、コアなファンにピンポイントに深く刺さるけどそれだけでは続かない。より広いマーケットで勝負できるコンテンツにしたいと考えた時、『B面の江頭さん』を出すことを意識しました。歌を熱唱したり、街ブラ企画に挑戦したり。江頭さんは撮影前に『1個も面白くないよ』って言っていたけど、この人が街ブラしたら絶対に面白いという確信がありました」
藤野さんはアシスタントディレクター、ディレクターを務めたテレビ朝日のバラエティー番組「『ぷっ』すま」で、番組に出演した江頭2:50と知り合った。
「あまり言うと怒られるけど、すごく礼儀正しくて恐ろしいほど腰が低い人なんです。アシスタントディレクターに話しかけるタレントはなかなかいない。一緒に仕事をしたスタッフはみんな江頭さんを好きになる。仕事に対しても真面目でストイック。他のタレントより1時間早く楽屋に入って準備をしていました」