21年には岡山県内で、自転車で車の前を走り、急ブレーキや進路変更を繰り返した男子高校生が、同容疑で書類送検された。
一歩間違えば惨事につながるひょっこり運転だが、もし前方に飛び出してきた自転車をはねたりひいたりしてしまった場合、車の運転手も責任を問われるのか。
佐々木さんは、車の運転手が、前方から危険な運転をして近づいてくる自転車の存在を見落とすことは考えづらいと指摘。
「自転車の運転が違法だったとしても、事故を回避できる状況であれば車の側にも回避義務が生じるため、過失運転の責任を問われる可能性が高いと思います」
と解説する。
線引きはどこに?
自転車の人物が死亡するなど、重大事故になった場合はどうなるのか。
佐々木さんは、車の側が事故を回避できる状況だった場合は、強制捜査として逮捕される可能性もあると話す。
ただ、
「逮捕されるかどうかは事故の具体的な状況によるので、線引きは難しい」
とも。
突然、フェイントをかけるかのように車の前方に飛び出された運転手たちは、肝を冷やしただろう。
次は一体、どこに出没するのか。
佐々木さんは、
「前方で危険な運転をしている自転車に気づいたら、とにかく接近しないことが重要です。そのうえで、110番通報をすることが最善策だと思います」
と話した。
(國府田英之)