天皇、皇后両陛下が主催する春の園遊会が23日、東京・元赤坂の赤坂御苑で催された。著名人や各界の功労者らが両陛下と言葉を交わし、女性皇族方の美しい装いも注目の行事だ。そんな園遊会の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年11月8日に掲載された記事の再配信です。肩書や年齢等は当時のもの)。
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天皇、皇后両陛下が主催する秋の園遊会が、赤坂御苑(東京・元赤坂)で開かれた。印象的だったのは皇族の方たちとユーミンとのやりとりだ。天皇陛下からは「翳りゆく部屋」「卒業写真」、秋篠宮さまからはアルバム「オリーブ」の名が挙がった。皇族方はなぜユーミンに惹かれるのか。AERA dot.でコラム「CULTURE&PEOPLE」を執筆する音楽評論家の森朋之氏が解説する。
5年ぶりとなった秋の園遊会には約1000人の招待者がいたが、シンガーソングライターの松任谷由実さんの前は大いに盛り上がっていたそうだ。
「特に、松任谷由実さんとはお話が盛り上がる皇族の方も多く、みなさま長時間お話しされていました。時折、取材の記者とカメラの位置まで聞こえてくるほどの笑い声が上がるほどでした」(皇室記者)
さすが、昨年50周年を迎えた日本屈指の大スター、ユーミンだ。ユーミンは、「なんだか緊張していて、せっかくのお言葉をみんな飛ばしちゃってるんですね……」と園遊会後の囲み取材で打ち明け、天皇陛下と交わした言葉を思い出すように話していた。
天皇陛下は「翳りゆく部屋」と「卒業写真」
「最後のほうに、私の曲をあげてくださって、『翳りゆく部屋』がお好きだと言ってくださったので、すごくうれしかったです。また、『卒業写真』も出してくださいましたね」
天皇陛下が挙げた「翳りゆく部屋」について、「70年代のユーミンの人気曲の1つです」と話すのは音楽評論家の森朋之氏。