まだまだエネルギッシュなテリー伊藤さん(撮影/上田耕司)

「ムチャクチャな番組をたくさん作った」

 ビートたけしが総合司会を務めた「スーパージョッキー」(日本テレビ系、1983~1999年)では、お色気を前面に出した「熱湯風呂」のコーナーがあった。タレントが熱湯に入っていられた秒数だけ、自分の宣伝ができる時間が与えられるという企画だった。

「熱湯風呂から売れた女優さんもずいぶん出たものです」

 その前はもっと過激だった。「コント55号の裏番組をぶっ飛ばせ!」(日本テレビ系、1969~1970年)の名物企画「野球ケン」では、萩本欽一と坂上二郎が女性ゲストとじゃんけんをして、負けた方が一枚ずつ服を脱いで、オークション形式で客席にいる観客に即売した。

「ブラジャーもパンツも脱いでバスタオルになってもいた。今では絶対、許されない番組だけど、昭和では、そういう番組が人気だったんですよ」

 テリーさん自身も、今ならコンプライアンスに抵触しそうな番組をいくつも生み出してきた。

「ムチャクチャな番組をたくさん作りましたよ。たとえば、元ボクサーのたこ八郎さんに東大生の血を輸血したらIQは上がるのかという実験とかさ」

【後編】では、テリーさんが手がけた企画に関して受けた抗議や警察ざたになったエピソードなどをお届けする。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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