戸松さんは言う。

「米国は国内総生産(GDP)を見ても日本に比べ堅調に成長しています。その米国に属する企業は、日本の企業よりも安定的に成長できる可能性があると思います。また、近年は日本でも企業統治改革が進んできて世界的な資金流入がさらに進む可能性も十分ありますが、米国企業のほうが、利益を出したらきちんと投資家に増配や自社株買いなどを通じて還元する文化なり、枠組みなりが以前からしっかりしています」

 新NISAがスタートし、日本でも企業はより個人投資家を意識するようになった。東京証券取引所も上場企業に対し、株価や資本効率を意識した経営をより強く求めている。配当をはじめ株主への還元姿勢を強めるようになった。

ずっと高くなる

 しかし、戸松さんによれば米国企業はもともとそうした姿勢や意識が強いという。新NISAでは個別銘柄への投資にあたって高配当株が人気だが、米国の個別株にももっと目を向けたほうがいいのかもしれない。

 そこで戸松さんが注目する米国の高配当株を挙げてもらった(上の表)。ただし、戸松さんは次のように話す。

「私が捉える高配当株の魅力は、見た目の(表面的な)配当利回りが高いということではありません。増配が続いている企業が、今後も増配していくことを加味して考えます。すると10年や20年といった長い目でみれば、その利回りは現在の見た目の利回りよりもずっと高くなる。さらにその後も、同じような期待が持てるということです」

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長く保有した場合の利回りは有利になる