都のホームページの職員採用の項目を見ると、
「約1400万人の都民を抱え、令和3年度当初予算額は7兆4250億円と一国の財政に匹敵する規模をもつ日本の首都東京」
「東京都は全国に先駆けた都市づくりや新しい制度の導入など、模範的な存在としての役割も担っています」
と紹介している。
自治体の“トップ”であることを自負しているのであれば、その長たる知事は非加盟の記者の質問にも堂々と答え、範を示してもらいたい。
行政トップの力量
「記者会見・記者室の完全開放を求める会」の世話人を新聞記者時代に務めるなど、記者クラブ問題の解決に言及・行動してきた、東京都市大学教授(ジャーナリズム)の高田昌幸さんは、
「すべての質問に答えようとしないのは、小池知事の自信の無さの表れ。事前に把握できない質問や厳しい質問であっても、きちんと応答して、鮮やかに回答して見せるのが行政トップの力量」
と小池知事の会見の姿勢を批判する。
一方、非加盟から抗議がきているのに主催の記者クラブが問題視していないことについては、
「全く理解できない。『自分たちが重要だと感じないから問題ではない』というのは、『裏金は問題と感じないから問題でない』と主張する自民党と一緒。そんな記者たちに国民は何の期待もしないでしょう」
と指摘し、こう続けた。
「報道機関の重要な役割は国民に代わって権力者に質問すること。そして権力をチェックすること。それをできない報道機関は存在意義がありません」
(AERA dot.編集部・板垣聡旨)