よく会見に参加しているという非加盟の記者に聞くと、
「私の場合は手を上げているにもかかわらず、質問できないことが多かった時期もあります。長いときは3~4カ月あてられなかったこともありました。最近は1カ月に1~2回指されます」
と話した。
また、ある非加盟の記者はこう語る。
「非加盟の記者は指されないことが多いです。質問したいので挙手しているんですけどね。小池知事は無視して立ち去ってしまうのです。ほぼ毎回、手は挙がっています」
加盟社との“格差”に驚いたが、非加盟が質問できないのはなぜなのか。都の報道課に取材すると、
「どの社を指す、指さないは、小池知事の判断によるものです」
と説明するだけだった。すべては小池知事の気分次第ということか。
一度も指されなかった月が2カ月あったり、1カ月に1回しか質問できなかったり
実際、非加盟がどのくらい質問させてもらえていないのか調べてみた。
東京都の公式YouTubeチャンネルには、これまでの定例会見の様子が公開されている。AERA dot.は、22、23の両年度で、非加盟が質問できた回数を計算した。つまり、手を挙げて小池知事に指された数だ。
結果を見て驚いたが、22年度の定例会見は計45回あり、非加盟が指されたのは6回だけ。23年度(3月22日まで)は計42回で質問できたのは18回に増えた。それでも一度も指されなかった月が2カ月あったり、1カ月に1回しか質問できなかったりするケースがたびたびあった。
関係者によると、23年度に指された回数が増えたのは、
「22年度に非加盟が指された回数があまりに少なかったことで、記者クラブ側から非公式に抗議があったんです」
とのこと。23年度は増えたとはいえ、それでも少なすぎる回数ではある。
前出の非加盟の記者が続ける。
「非常におかしい事態です。私たちとしても何度も報道課と記者クラブ側に抗議と是正の要請をしていますが、一向に改善されません」