20歳の成年を迎えた報告のため、伊勢神宮を参拝した秋篠宮家の長女、眞子さま(当時)=2011年11月、三重県伊勢市、代表撮影/JMPA

 ロングドレスの白という色にも、意味があるという。宮内庁の関係者だった人物は、こう話す。

「祭祀の際、神域では神職も白色の装束を用います。神宮への参拝の際は、女性皇族も白い参拝服をお召しになります。白は神聖なものや清らかさを表す色であるから、と聞いています」

 この白い絹地のロングドレスと帽子の素材に、純日本産の蚕である「小石丸」の繭で紡がれた絹織物が用いられたこともあったという。
 

秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さまが伊勢神宮へ参拝。佳子さまは学習院女子高等学校の卒業式を終え、6歳の悠仁さまは翌4月からお茶の水女子大学附属小学校への入学を控える=2013年3月、三重県伊勢市、代表撮影/JMPA

 愛子さまは翌日、伊勢神宮の参拝後の通例どおり、奈良県橿原市で皇室が初代天皇としている神武天皇陵を訪れた。この日は薄いグレーのロングドレスに黒の帽子、手に扇子を持って参拝し、大学卒業と就職を報告した。

 神武天皇陵の参拝服は、伊勢神宮とは異なり、濃淡はあるがグレーに変わる。大正天皇陵と貞明皇后陵、昭和天皇陵と香淳皇后陵がある武蔵陵に参拝する際と同じだ。

 この参拝服の色は「にび色」といい、喪や慎みの色だという。
 

 この春、人生の節目を迎えた22歳の愛子さま。これからご両親と離れ、おひとりでの歩みが始まる。(AERA dot.編集部・永井貴子)