最大の疑問は、水原氏が大谷選手の口座を操作できた経緯について、会見で何も語られなかったことだ。
水原氏は違法賭博の胴元に、大谷選手の口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)を送金したと、複数の米メディアが報じている。ESPNは、大谷選手の名義で昨年秋、50万ドルの送金が2回あった記録などを確認したという。
当初、水原氏は3月19日に行われたESPNのインタビューで「賭博で負った借金の肩代わりを大谷選手に頼んだ」と語ったが、翌日には「大谷選手は自分の借金について知らず、大谷選手本人は送金していない」と説明を一転させた。
USAトゥデーによると、「ファンは、水原氏が大谷選手の知らないところで彼の口座にアクセスできる権限を得ていたという主張に困惑した」という。
というのも、米国政府は不正送金やマネーロンダリング防止のため、2005年にインターネットバンキングや電子送金の手続きを強化。ユーザーIDとパスワードだけでは口座にログインできないようになっているからだ。
例えば、大手米銀のシティバンクの場合、ユーザーIDとパスワードをネットバンキングの画面に打ち込むと、スマホにワンタイムパスワードが届き、それを入力することで口座にアクセスできる。口座にアクセスすると、利用者にその旨がメールで通知される。送金時も同様だ。
大谷のどんな話も信じられない
一般の米国民からすれば、水原氏は大谷選手のスマホを自由に使える立場にあるのか、銀行口座へのログインや送金を気づかれないことがあり得るのか、という疑問が湧く。
さらに同紙は、連邦政府の調査を受けるような人物への巨額の送金を、大谷選手が承認したという証明なし行える銀行が存在するのだろうか、と指摘する。