落語家・春風亭一之輔

 落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今回のお題は「ダンスショー」。

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 やっときました! 和歌山県での自民党青年局の会合で、露出多めのダンスショー&チップ口移し! いよっ! 待ってましたっ!

 主催者いわく「多様性の重要性を問題提起するために(セクシーダンサーズを)よびました」。頂きました! 言い訳としての「多様性」! 便利な言葉! 私も時折使うけどね、多様性。

 落語の稽古しなきゃいけないなと思ってても、ついつい怠けてしまうのも多様性。うるさく言われてもトイレで座っておしっこしないのも多様性。コラムの締め切りが迫っても気づかないフリをするのが多様性。これからもドンドン使っていこうぜ。多様性を言い訳にするのも多様性だ!

 しかし、チップを口移しというのは、なかなか汚い多様性だ。不特定多数の人間がベタベタ触っただろうお金を口移し。「どう思います?」と聞いたら、ある人が「あんなもの口に含んでのみ込んじゃったらどうするんだろうね?」と言ってたので、その人は恐らく小銭だと思ってたようだ。いやいや、お駄賃じゃねえから。相手はセクシーダンサーだよ。五千円札か一万円札じゃねえかな、自民党の青年局だし。福沢さんも樋口さんももうすぐお役御免になろうってのに和歌山で政治家の秘書とセクシーさんの口に同時に含まれるとは思わなかったろう。渋沢さんも津田さんも今から戦々恐々としてるね、きっと。

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春風亭一之輔

春風亭一之輔

春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/落語家。1978年、千葉県生まれ。得意ネタは初天神、粗忽の釘、笠碁、欠伸指南など。趣味は程をわきまえた飲酒、映画・芝居鑑賞、徒歩による散策、喫茶店めぐり、洗濯。この連載をまとめたエッセー集『いちのすけのまくら』『まくらが来りて笛を吹く』『まくらの森の満開の下』(朝日新聞出版)が絶賛発売中。ぜひ!

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