有料放送を視聴している会員リストは5万件の個人情報を含んでいるという

 直近に起きた規模が大きな例でいえば、NTT西日本の子会社の元派遣社員が約928万件の顧客情報を不正流出させていたことを、昨年10月、NTT西日本社が公表した。流出したのは、氏名や住所、電話番号などだ。また、被害に遭った顧客69企業・団体のうち、少なくとも29は自治体だった。    

 この事件をめぐって、岡山県警が今年1月31日、山田養蜂場(岡山県鏡野町)の顧客情報を名簿業者に渡したとして、不正競争防止法違反(営業秘密領得、開示)の疑いで、兵庫県芦屋市の63歳の男を逮捕した。逮捕容疑は、NTT西日本の子会社に勤務時、山田養蜂場の顧客の氏名や住所、電話番号など約3万2800人分の個人データをノートパソコンにダウンロードし、東京都内の名簿販売業者にメールで送信したというもの。一部報道によると、それらのデータの売却額は約2万円だったという。

特殊詐欺に関与した消防士の自宅から……

 また、LINEヤフーは今月、第三者による不正アクセスで、同社やグループ会社の従業員らの個人情報が13万件以上流出したことがあると明らかにした。同社は昨年11月にLINEアプリの利用者情報など計約44万件の個人情報が外部に流出した恐れがあると発表している。その後の調査のなかで、新たに不正アクセスによる漏えいが発覚し、計約50万件以上に広がった。11月当時で流出したのは、利用者の年代や性別、通話の利用頻度など20項目を超える情報だった。

 2022年12月には、特殊詐欺に関与したとして逮捕された20代の消防士の自宅から、消防署が保管する高齢者名簿のコピーが押収されていたことを東京消防庁が明らかにした。流出したのは、東京都中野区に居住する70歳以上の高齢者約1万6千世帯分の名簿で、その一部のコピーが警視庁の家宅捜索で見つかった。

 過去の大量の個人情報流出といえば、2014年に通信教育大手のベネッセコーポレーション(岡山市)で、外部会社の元派遣社員が約3500万件分の個人情報を名簿業者3社へ売却していたことが明らかになった。

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