現地時間2024年3月6日、米ロサンゼルスのYouTubeシアターで開催された【2024ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック・アワード】で、カロルGが裸足で「Amargura」の心を奪われるようなサルサ・バージョンを披露した。そして米ビルボードとのレッド・カーペットでのインタビューで彼女が約束した通り、彼女のパフォーマンスはケイティ・ペリーをはじめとする来場者たちを立ち上がらせ、一緒に踊らせた。
コロンビアの国旗が巻かれたマイクスタンドに向かってカロルは、「みなさん、こんにちは!この特別な夜のために、ファンのみんなが一番好きだと思う曲を選びました。一番人気ではないけど、みんなのお気に入りなのは知っています。私のルーツとラテン・コミュニティを象徴する特別バージョンを演るために、才能ある女の子たちをたくさん連れてきました。皆さんに楽しんでもらいたいです」と述べた。
その自由奔放なパフォーマンスを後押しするような、白い優雅なツーピースを着たカロルは、パーカッションのエミリー・エステファン(グロリア&エミリオ・エステファンの娘)を含む、女性だけで構成された総勢13人のサルサ・バンドを従えてエネルギッシュに歌い踊った。バンドの女性たちも白い衣装で、多くはコロンビアの伝統的なクンビアの長いスカートをはいていた。カロルのサルサ・ナンバーは、長年の音楽監督ロブ・トゥルヒーヨとともにセルジオ・ジョージがアレンジとプロデュースを手がけた。
2024年の<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>を受賞したカロルGによるパフォーマンスは、ヴィクトリア・モネ、NewJeans、マレン・モリス、ヤング・ミコなども出演したセレモニーを締めくくった。
カロルが【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】で表彰されたのはこれが初めてではない。彼女は2022年に<ルール・ブレイカー賞>を受賞し、「El Barco」を披露した。それ以来、カロルは歴史に残るアルバム(『MANANA SERA BONITO』)を発表し、ラテン系女性として初めて全米スタジアム・ツアーを行い、【ロラパルーザ】のヘッドライナーを務め、最近では初の【グラミー賞】受賞するなど、キャリアにおける決定的瞬間が詰まった1年を過ごしてきた。
ソフィア・ヴェルガラから<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>のトロフィーを受け取ると、カロルは英語で、「今日ここに来られて非常に光栄です。オー・マイ・ゴッド、私のキャリアで最も意義深く重要な賞かもしれません。非常に特別です」と述べ、「これは<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>で、ラテン系の女性が<ウーマン・オブ・ザ・イヤー>に選ばれるのは初めてです。ということで、当然ながら私はスペイン語でスピーチをしなければなりませんね」と述べてから母国語に切り替えた。以下、彼女のスピーチの英訳からの抜粋だ。
「最初に言っておかなければならないのは、私は何年も何年も、女性であることにとても失望して生きてきたということです。(中略)何度も私には無理だと言われましたし、そのために夢を置き去りにしてしまう人、夢を脇にどけてしまう人の多さについていつも思いをはせます。(中略)切望する中で、自分のためだけでもいいから音楽を作りたいと願う中で、もし環境が変わらないのなら、変わらなければならないのは自分であり、自分がやるのだと決心しました」
「今夜私がここにいるまでに、3つの基本的なことが起こりました。一つは、あらゆる人のために完璧であろうとするのをやめました。(中略)二つ目は、“彼女はこの人のおかげ(で成功した)”とか、“この人がいなければああはならなかった”とか、“この人と一緒にレコーディングしたからだ”とか、“あの人にあげたからできたんだ”とかいうコメントを完全に無視し、今でも完全に無視しています。(中略)そして三つ目は、私が獲得しなければならないのは他人からの尊敬ではなく、自分自身からの尊敬だとわかるようになりました。自分を見て、そうなった自分自身を称賛できるところまで努力することです」
「ここに来るまでにかかった16年間を振り返ってみると、自分の心に従ったからこそ、自分自身にとても安らぎを感じています。心に従うのです。私はその過程を見ていますから、何も取り上げることはありません。最も美しいものから最も困難なものまで、すべてのことに感謝していますし、それが今の自分を作り上げました。痛みではなく、多くのチャンスが生まれたこと、学びがあり、目標が達成され、多くの人の心が動かされたことが見えます。それが私が受け取ることのできる最もクールな賞なのです。本当にありがとう」
「本日この賞を受け取るにあたり、私は(自分自身に)“カロルG、あなた最高、おめでとう”と言いたいです。これは私のためだけではありません。すべての人たち、同じく毎日働いている女性たち、私たちの知らない道を開いてくれている人たち、努力しているすべての人たちに感謝したいです。たくさんいる、私のチームで働く女性たちにも。そして、これからの女性たち、彼女たちもすでに一生懸命努力しています。私はここで自分がしてきたことを全部言いたかったわけではなく、私がしたように皆さんもできるはずだと言いたいだけなのです。そして、自分自身の決断や、自分のしていることが悪いのか良いのか、価値があるのかないのかを決める権限を、決して他人に与えてはいけません。誰もあなたに、人として、女性として、プロとしての価値をつけることはできません。そのために働き、汗を流し、手に入れ、稼ぐのはあなた自身なのです。そして、今年私に(賞を)くれたことはなんとチンバ(最高)なんでしょう。ビルボード、ありがとう。皆さん、愛しています」