東京・恵比寿ガーデンプレイスでクリスマスのイルミネーションを訪れた皇太子さま(当時)と雅子さま、愛子さま。クリスマスカラーの愛子さまの赤いコートが愛らしい=2007年12月、代表撮影/JMPA
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 天皇陛下は2月の誕生日に際しての会見で、能登半島地震の犠牲者への思いを述べられ、被災地訪問の意向を示した。国民に身近な存在として、距離感を意識してきた天皇、皇后両陛下や皇族方。そんな皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年11月26日に掲載された記事の再配信です。肩書や年齢等は当時のもの)。

【写真】家族への愛があふれる…雅子さま直筆のクリスマスカードはこちら

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 イルミネーションが、街を幻想的に照らす季節になった。コロナ禍以前、天皇陛下と雅子さま、そして長女の愛子さまが、都内にあるクリスマスのイルミネーションなどを「お忍び」で見学するのは、ご一家の昔からの恒例行事だった。街に賑わいと華やぎが戻ってきた今冬、ご一家の姿を見ることができるだろうか。
 

 日が落ちた東京・恵比寿ガーデンプレイス。赤いコートを着た愛子さまが、当時皇太子だった天皇陛下と雅子さまと手をにぎって歩いてきた。

 2007年12月21日の午後6時過ぎ。3人が「お忍び」で訪れたのは、クリスマスのイルミネーション。皇太子さまと雅子さまはそれぞれ愛用のカメラを取り出し、フランスの高級クリスタルガラスブランド「バカラ」のシャンデリアを写真に収めていた。

 愛子さまは前日、学習院幼稚園の終業式を終えて冬休みに入ったばかり。道行く人たちからの視線が恥ずかしかったのか、「パパ」のコートの裾をつかみ、そっと後ろに隠れる場面もあった。

 数日前には雅子さまが、青山でクリスマスの飾りやキャンドル、シャンパングラスなどの買い物を笑顔で楽しむ姿も見られた。自宅では愛子さまも一緒に、クリスマスの飾りつけをしたのだという。
 

 翌年は愛子さまが発熱したこともあり、「お忍び」は中止に。しかし、クリスマスや年末の季節のイルミネーションの見学は、ご一家の恒例イベントとなった。
 

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都内の「名所」をめぐるご一家