「つい先日も、お金を持ち逃げした日本人の女の子の写真が出回っていました。こういう例が続くと、日本人ブランドが崩れてしまうし、頑張っても稼ぎにくくなる。考えなしにそういう行動をしてしまう、頭の悪い子の渡航が増えているのが困るんです」

 1年のほとんどを海外で過ごし、日本で過ごす期間は3カ月ほどという、出稼ぎが中心の現在の生活。だがこの生活は、半年以内で辞めるつもりだと口にする。お金をつぎ込んできたホストが、「半年以内にホストクラブを辞める」と話しているためだ。

「だから私もホスト狂いを卒業しようかなと。まあ、彼はホストを辞めるって言ってるけど、そんな簡単に辞められるわけないとも思ってる」

 実は、日本では、そのホストと一緒に暮らしているらしい。「好き同士だけど、彼氏彼女じゃないし、男女の関係じゃない」と話す口ぶりには、言葉では説明しづらい複雑な感情や関係性があるようだ。キョウコさんが海外に出稼ぎに行くことについて、ホストは心配もしていたという。あえてその関係性を問うと、“共依存”という言葉が返ってきた。

「私は“これだけお金をつぎ込んできたんだから”という気持ちがあるし、向こうは“これだけ自分にお金をつぎ込んだ女なんだから”という気持ちがある。私も向こう(彼)に依存してるし、向こう(彼)もお金を使う私に依存してる。だから、恋愛関係とかじゃなくても、ちょっとやそっとじゃ離れられない感じになっちゃってる」

www.amazon.co.jp/dp/4022952571

著者プロフィールを見る
松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

松岡かすみの記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
台風、南海トラフ地震、…ライフライン復旧まで備える非常食の売れ筋ランキング