池田市では2020年秋に、当時の冨田裕樹市長が市役所内に家庭用サウナなどを持ち込んだことが問題となり、「サウナ市長」の名前が全国で知られる事態になった。その際も筆者は池田市の副市長らに取材をしたが、取り囲まれるようなことはなかった。

「こういうやり方は、マスコミ、記者に圧力を加えているのではないか」

「私の取材が威圧的というなら、早く警察呼べばどうなのか」

 と胡摩窪氏と瀧澤市長に訴えると、

「いや、威圧的ではなかった。警察は呼びません」

 と、なぜか胡摩窪氏は態度を変えたのだった。

「大阪維新の会を離党しました」

 胡摩窪氏は、今年1月になって維新を抜けて無所属となった。

 瀧澤市長も、X(旧ツイッター)で、

〈この度、ごまくぼ亮太池田市議会議員が一身上の都合により1月30日付けで大阪維新の会を離党しました〉

 と書いている。離党という重大な問題なのに、具体的な理由については一切触れていない。

 池田市議の一人が、こう話す。

「胡摩窪氏が居住実態のことでAERA dot.さんに直撃取材されて、あたふたしていたという話はすぐに市役所内で広がった。以前から出ていたウワサでしたが、あの慌てぶりから本当だったのかと思った。それ以外にも維新の中でトラブルを起こして離党に追い込まれたと聞いている」

 維新では、「居住要件」を満たさない不祥事が続いている。

 昨年の統一地方選では、茨城県の龍ケ崎市議選で初当選した日本維新の会の村井将重氏が、居住要件を満たしていないと判断され、昨年10月に県選挙管理委員会が当選無効を決定した。村井氏は今年1月に議員辞職した。

 埼玉県でも、昨年4月の県議選で初当選した日本維新の会の中村美香氏が居住要件を満たしていないとして、県選管が7月に当選無効を決定した。中村氏は決定を不服として訴訟を続けている。

 このほか、2015年の京都府の城陽市議選で当選した維新の党公認候補も、居住実態がないとして当選無効になっている。

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地方議員の“身体検査”もしっかりやるべきだ