17日放送のトークバラエティ「人生最高レストラン」(TBS・午後11時30分~)のゲストは、とにかく明るい安村。世界で認められるコメディアンとなった、とにかく明るい安村の人気の秘密とは?(この記事は「AERA dot.」に2023年4月29日に掲載した記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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とにかく明るい安村がイギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出演したことが話題になっている。
パンツ一枚の半裸姿で颯爽と舞台に現れた安村は、かつて日本でも一世を風靡した「全裸ポーズ」のネタを披露した。途中の台詞は英語にしていたし、設定もイギリス人に理解しやすいものに変えていた。「安心してください。はいてますよ」という決め台詞は「Don’t worry. I’m wearing」と言い換えられていた。しかし、基本的なネタの構造は日本でやっているのと同じだった。
この世界的な大舞台で、安村のネタが見事に大爆笑を起こした。審査員全員が大絶賛のコメントを残し、観客は総立ちになって惜しみない拍手を送った。誰がどう見ても文句なしのウケ具合だった。安村自身もツイッターで「人生で一番うけたよ!」と振り返っていた。
彼のパフォーマンスを収めた動画は番組のYouTubeチャンネルで公開されていて、すでに420万回以上再生されている。この動画を見ると、多くの日本人は内なるナショナリズムをくすぐられて、どこか誇らしいような感情を抱くのではないか。WBCで活躍する大谷翔平を見るときのように「日本人がその実力を世界に見せつけた」という確かな手応えを感じるはずだ。
なぜ多くの人がそう思えるのかというと、安村のネタが日本のお笑い界におけるマスターピースであり、その面白さの本質がそのまま外国でも通用する、ということが証明されたからだ。
安村の全裸ポーズ芸は、その見た目から「裸芸」というカテゴリに分類されることがある。「裸になってふざける」というのは、人類の歴史上、小さい子どもから酔っぱらいまで数限りない人間がやり続けてきた超古典的なふざけ方、笑わせ方の一形式であり、そこには目新しさはない。
つまり、裸芸と言われるものが単に「裸になってふざける」という程度のことであるのなら、そんなものはプロの芸とは言えないのである。プロの芸人が見せる裸芸が「芸」と呼ばれるのは、単なる悪ふざけにとどまらない創意工夫があり、技術があるからだ。