■神戸「A」

 悲願のリーグ優勝から、今季はリーグ連覇を狙いながらACLを戦う。そのためには選手層アップが不可欠。高い潜在能力を持つGKオビ・パウエル・オビン(←横浜FM)、神戸育ちのCB岩波拓也(←浦和)、スタミナ豊富なSB広瀬陸斗(←鹿島)、球際の強さが光ボランチの鍬先祐弥(←長崎)、日本代表復帰の声も挙がるMF井手口陽介(←福岡)、優れた得点能力を持つFW宮代大聖(←川崎)と、各ポジションにレギュラークラスの選手を獲得した。

 一方、退団した選手の中で目立つのはDF大﨑玲央のみ。昨季途中加入のフアン・マタ、バーリント・ヴェーチェイの助っ人陣の退団は残念ではあるが、チームの戦いに影響はない。昨季フル回転した大迫勇也の疲労、長期離脱中の齊藤未月を考えると、特に宮代と井手口の獲得が“ヒット”であり、フロントの手柄だと言える。

 元々、選手の駒は揃っていたが、今オフの補強で控えも含めたチーム全体のクオリティがワンランク上がり、いよいよビッグクラブらしい編成になった。例年通り、夏の移籍期間での新助っ人獲得も期待したいところだ。


■広島「D」

 待望の新スタジアムが完成し、優勝へのモチベーションも高まるシーズン。昨季3位の手応えがあるとはいえ、目立った新戦力は、争奪戦の末に獲得したFW大橋祐紀(←湘南)のみ。ユース出身の攻撃型ボランチの細谷航平(←法政大)を出戻りの形でチームに加え、控えGKとして薄井覇斗(←松本)をレンタルで獲得した以外は、DFイヨハ理ヘンリー(←京都)、MF小原基樹(←水戸)の2人をレンタル復帰させたのみだ。

 一方で退団者も少なく、引退選手と武者修行で他クラブへ期限付き移籍した面々以外では、FWナッシム・ベン・カリファの名前があるのみ。昨季からチームのベースはほぼ変わらない。決して戦力値がマイナスになった訳ではないが、大きくプラスしたとも言えず、他クラブが戦力アップした中では相対的に苦しい戦いを強いられる可能性もある。

 ただ、その中で昨季J1出場23試合13得点でブレイクした大橋は非常に楽しみな存在。前線を献身的に走り回りながらゴールを狙うプレースタイル的にも広島にフィットするはずだ。

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